きもの教室の一週間

世の中が少しづつ動き始めました。

こちらの教室も以前の状態に戻りつつあって、今週は充実した一週間になりました。

 

留袖の裾模様
留袖の裾模様

まずお一人目の生徒さんは、「一人で着られるコース/初等科」の修了試験。筆記試験と15分以内に留袖を着る実技試験を受けていただきました。この方は「Stay home」期間もご自宅で着々と練習を重ね、実力も十分。

通常より早めの受験をオススメしました。

 

結果は、実技も筆記も一発合格。

校長先生にも「着姿がきれい」と褒めていただきました。

「人に着せるコース/中等科」へ進学を希望されていますが、「暑い夏が終わってから」とのことで、これから夏の間はお休みされます。

 

もう一人も初等科の生徒さん。

新コロナウィルスの影響と共に、まだ小学生のお子さんが分散登校で

「直ぐに帰ってきてしまうんです」とのことで、こちらの教室には約3ヶ月いらっしゃることが出来ませんでした。

久しぶりの授業では、こちらの心配をよそに手の動きは滑らか。

お休みの間も、ご自宅で練習を重ねていらしたのでしょうね。

帰宅されてから、「久しぶりの自分時間で楽しかった!」

というお便りをいただきました。

 

和菓子/水無月
和菓子/水無月

もう一人の方はこれから着物を勉強したいという見学の方。

来年成人式のお嬢さまが、今秋から留学予定のために成人式に晴れ着が着られないからということで、4月にその前撮りに付き添われたとのこと。

その際に、ご自身も着物について勉強したいと思われたそうです。

いらした日の最初に「本当に何もわからないんです」とおっしゃっていましたが、この日色々なお話をして、帰る頃には「通います!」と心を決めていらっしゃいました。

 

皆さん境遇や立場は異なりますが、「着物について知りたい」「着物を着たい」という点では一緒です。

それぞれのお気持ちに合わせて、着物の世界にお誘い出来たら嬉しく思います。

 

 

再開の第一歩

きものの教室が再開して、今日まず一回目の授業をしました。

この方はお休みすることなく順調に勉強を進められて、春先に初等科を卒業する予定だったのですが、

新コロナウィルスの影響で4月から教室が休校に入ってしまったために、

修了試験を目前に宙ぶらりん状態になってしまったのでした。

 

どんな勉強も間が空くと忘れてしまいますよね。

その上「暑いのは苦手なんです」とおっしゃっていました。「だから私、夏は着物を着ません」とも。

初等科の最後は「留袖を15分以内に着る」です。

季節はすっかり夏のような暑さになってきました。

着物を着るだけでも汗だくになるのに、袷の留袖に袋帯の二重太鼓で練習です。

ちょっと心配していました。

 

「ピンポ~ン」

授業の日、予定時刻より少し早くドアホンが鳴りました。

「はーい」と出てみると、そこに着物姿の美しい女性が。

この暑さの中、なんと着物を着ていらしたんです。

最後の授業でお会いしたときはまだ袷の季節でしたが、

今日は淡いクリーム色の単衣の着物に黒地の博多織の半幅帯を締めていらっしゃいました。今の季節にピッタリのステキなコーディネイトです。

着物が着たくて購入されたんだそうですよ。

「暑いから着たくない」などと言っていても、なんだか着てみたくなったのは

もう既に着物の虜になっている証拠なんですのよ、うふふ。

 

授業の方は、休校の間もしっかり自宅練習が出来ていたのでしょう。

ほとんど手が止まることなく、留袖を着ることが出来ました。

時間も十分です。

 

久しぶりの留袖の重さにだけ少し戸惑われていたようでしたが、

今日指摘したところをもう少し練習されれば、予定より早く試験に臨めそうです。

 

早く合格出来たら、残りの授業はお好きな勉強をしましょうね。

 

 

遂に再開です

今週に入り、千葉県でも緊急事態宣言が解除されました。

まだ先は見えなくて安心できませんが、ひとまず良かったですね。

皆さまも、ご自身の様々な活動の再開を心待ちにされていたことでしょう。

 

市内の小中学校も再開されたようです。

朝ランドセルを背負った子供たちの姿を目にするのは、とても嬉しいことですね。

印西市では6月2日が小学校の入学式。

新一年生も、やっと新らしいランドセルが背負えます。

けれどしばらくは分散登校で、状況を見極めながら進めて行くということのようです。

 

こちらのきもの教室も再開しました。

教室再開を在籍の生徒さんたちにお知らせすると、直ぐに授業の希望日の連絡がきました。

こちらも新型コロナウィルスへの感染対策を講じた上で授業を行ないます。

 

ところで、しばらく着物を着ない内に、単衣の季節になりました。

緊急事態宣言も解除されたので、まとめてあった袷の着物をクリーニングに出そうと、いつものお願いしている呉服店に持って行きました。私の持参した着物をチェックしながらお店の方が、

「この春は、折角着物を誂えても、着る機会を逃してしまったお客様がたくさんいらしたんですよ」と。

そうですね。卒業式・入学式などのために、お着物を誂えた方がたくさんいらしたことでしょう。

 

入学式の時期もすっかりずれてしまい、もう袷では暑い季節になってしまいました。

せっかく誂えたのですから、また別の機会に是非着ていただきたいと思います。

 

お茶のお稽古についても、再開のお知らせが届きました。

お茶は口に入るものですし、濃茶のように回し飲みもありますから、

お稽古再開について、先生のご心配やご苦労はいかばかりかと思います。

まずは、「密」を避けて時間を区切って一人稽古からとのこと。

今まではいつ行っても迎えていただいていましたが、しばらく完全予約制になります。

 

一端収まったかにに見える新コロナウィルスにも第2波・第3波・・・の話もあり、

先の見えない生活がしばらく続きそうです。

とにかく感染が広がらないように、

『新しい生活様式』でみんなで気をつけて行きましょう。

 

 

やっと出来上がりました

「STAY HOME」期間中にと、色々な針仕事をしていますが、

数年前から作りたいと思っていた「手作り手提げ」に、いよいよ取り掛かりました。

 

生地は、叔母から貰って着ていた大島紬。

古いもので生地が傷んでしまい着物として着られなくなったので、何かに作り直したいと思っていました。

まず思い浮かんだのが、手提げを作ること。

手提げならそれ程難しくなく、私にも出来そうで。

 

随分前に着なくなっていましたが、「もう着ないから」と洗いにも出さなかったので、まずはほどいて洗いました。

大島紬は雨コートにもするくらいですから、他のちりめんなどと比べると縮みにくいです。

もっとも、着物に仕立て替えるわけではないので、多少縮んでもOKということで、食器用洗剤で洗ってみました。

さっぱりと綺麗になりました。

(着物として着る方は、自宅で洗わない方が安心です)

 

作り方は、ネットのあっちのサイト、こっちのサイト・・など3つくらいを参考にして、自分のアタマの中で合体。

こんななんちゃって型紙を作って作業を始めました。

とにかく、考えながら縫い進みます。

 

口の部分の裏地は、ちょっと可愛い生地にしました。

持ち手だけ購入。

普通は表地と裏地の間に接着芯を使うと思いますが、

大島紬は薄いので、家にあった帯芯を入れました。



 

 

 

日頃は、縫い物を広げて作業する気持ちの余裕が無いということなのかも知れませんね。

今回のように集中すれば、洗うところから数えても

3日程で出来ました。

けっこう気に入った出来栄えです。

着物を着た日に、持ち歩きたいと思います。


特別展「きもの KIMONO」

今年の春4月14日から、東京国立博物館で特別展「きもの KIMONO」が開催される予定でした。

この展示会の情報は年明け早々に耳にしていましたが、今までにない大規模な「きもの展」ということで、

とても楽しみにしていました。

春先の朝日新聞に掲載された紹介記事
春先の朝日新聞に掲載された紹介記事

講演会やイベント、また「IKKO ビューティートーク・プレミアムナイト鑑賞券」などの企画前売りチケットなども販売されていましたから、既にチケットを購入されて楽しみにしていた方もいらしたことでしょう。

こちらの教室でも、「着物を着て行きましょうね」と生徒さんたちと話していました。

 

東京国立博物館は、どんな展示会でも混みあっています。

まして今回の「KIMONO展」は相当な混雑が予想されますから、

開催延期は仕方無いですね。

開催される日を楽しみに、ご興味のある方はこちらをどうぞ。

 ⇒ https://kimonoten2020.exhibit.jp/

おそらくこの展示会に合わせて、ということだったのだと思いますが、

新潮社から出ている「芸術新潮」という雑誌の5月号が、

「きものみち」という着物の特集号になっています。

発売はたしか4/24でしたが、数日後にネットで購入しようとしたところ、

何処にも在庫が無い状態でした。

興味を持った方が大勢いらしたのかも知れませんね。

おそらく増刷されるだろうと思い、しばらく待つことにしました。

予想通りその後入荷され、先日やっと手元に届いて読むことが出来ました。

 

特集号の内容は多岐に渡っていますが、

きもの通で知られる檀ふみさんが、白生地の生産地で知られる丹後を訪ねる特集

などは、面白く読みました。

写真がたくさん載っていますし、着物初心者の方にも楽しく読んでいただけると思います。

 

この展示会だけではありませんが、しばらく展示会に行っていません。

そろそろ美しいもの、心に染みるもの・・・に出会って感動する喜びを取り戻したいですね。

そんな生活が、一日も早く戻って来ますように。

 

 

針仕事

針仕事は好きで、新しく縫いたい物や手直しをしたい物・・・色々頭の中にはありました。

日々の生活に追われてなかなか手がつかずにいましたが、今はこういったものに取り掛かる絶好の機会ですね。

 

私としては、まずは自分の新しい長襦袢を縫いたいと思っていました。

反物は既に用意してありましたが、長襦袢を仕立てるのは久しぶりですから、手持ちのテキストとにらめっこしながら。

縫い物は楽しいですね。一日の時間があっという間に過ぎていきます。

毎日少しづつ縫っていき、完成が見えかけた頃・・・、後巾の寸法が一寸狭いことに気がつきました。測り間違いです。

ガーーーーーン"(-""-)"!

どうしようかと考えました。しかしどうも誤魔化しは効かないようで・・・。

そうです、時間はたっぷりあるのでした。

ほどいてやり直しです。結局その方が気持ち良いですし。

和裁の物差しには目盛りだけで数字が打ってありません。

5寸毎に赤い印がついていますが、他は等間隔の同じ目盛りが打ってあるだけなので、日頃あまり使うことの無いおっちょこちょいな私は、

長さが長くなるほど読み間違いをすることがあります。

余程注意しているつもりでも今回のようなことがありますから、

気をつけないといけません。

少し遠回りをしましたが、無事に完成しました。

他にやることもあるので針仕事は一端置きますが、

次の針仕事はあれをやって、その次はこれを直して・・・と頭の中に計画だけは出来ています。

緊急事態宣言も延長の方向のようですが、さて、どこまで出来るでしょうか。

 

着物に針仕事は付きものです。

着物を着るのに半衿付けは必須ですし、身八ッ口や袖付けのほころびなど、

ちょっとした針仕事は欠かせません。

表には出ませんが、補正を自分で作ることも。

市販の補正具も色々出ていますが、自分の体に合った補正具は、自分で工夫して作っても良いですね。

生徒さんで「私は左肩が下がっているんです」とおっしゃって、それを補うために色々工夫して補正下着を作られている方もいます。

 

 「半衿付けは苦手だワ」という方もいらっしゃいますが、この時期にじっくりトライしてみるのはいかがですか?

 

 

季節の移ろいを感じるには・・・

自宅で過ごす毎日が続いています。

東京都では、今日から「STAY HOME週間」がスタートするそうです。 

ただ最近、「家の中に籠っていると、何となく季節感を感じないなあ」と感じていました。

 

いつもだと着物の教室があって、前日その準備をするために天気予報で翌日の気温やお天気を確認し、

「それじゃあ、この着物にあの帯を合わせて・・・、そうね、それじゃ帯締めはこれにして・・・」

などとやっていました。

一口に着物と言っても、寒い日向きとか春っぽい組み合わせとか、色々考えられますから、生徒さんになるべく違うコーディネイトを見せられるように、着物と帯、帯締め・帯揚げなどあれこれと考えて準備していました。

今はそういったことが一切無い生活です。

 

最近は温暖化でゴールデンウィークには夏日になるようなこともあり、本来はまだ袷の季節ですが、

例年の今頃は「そろそろ単衣を出そうかな・・・」などと考えていました。

着物の教室もお茶のお稽古もお休みの今、慌てて単衣を出す必要もありません。 

 

お茶のお稽古もお休みに入って久しいですが、どうも炉の時期はこのまま終わってしまい、5月からの風炉の季節に入りそうです。

お茶のお稽古では、先生が毎回季節のお菓子を出して下さいました。

お茶は道具類にも季節感が反映されていますから、先生が準備して下さった道具類を見て、「あら、もうこのお茶椀の出番なのね」などと話していたものでした。

今はそういうことも無い生活です。

 

着物は何枚も重ね着をしますからこれからの季節は洋服よりかなり暑いですし、

お稽古では釜の前に座ってお点前をすると、かなり汗ばんで来ますから、

暑がりの私としては、着て行く着物についてはよくよく考えたものです。

 

何だか季節の移ろいを感じないなあ・・・そんな風に思っていました。

でも先日買い物に出た際、走る車の窓から、あるお宅の庭の美しい藤棚が目に飛び込んで来ました。「あら、もう藤も咲いているのね」と思いました。

我が家の庭も、この冬に伸びてしまった丈を切ってもらったハナミズキが、

例年になくたくさんの花を咲かせて、心を和ませてくれています。

自然は世間の騒ぎとは無関係に、その歩みを進めているんですね。

 

 

悩ましい裄の寸法

今回はちょっと真面目な着物の仕立てについてのお話です。

 

着物は巾約1尺(約38㎝)前後の反物から出来ています。

袖と左右の身頃部分は、共に反物の巾がそのまま利用されていて、

着る人に必要な寸法分を取って、残りは縫い代として縫いこんであります。

なので、「ちょっと太っちゃったワ」というような場合、着物をほどいて縫い代から出せば、

「少し身巾が広がる」というような作りになっているのです。

 

着物で「裄の長さ」というと、「肩幅」と「袖巾」を足した寸法になります。

私は背が高いので裄が長いですが、最近の若い方は普通の身長でも手の長い方が多いですね。

反物の巾も時代に合わせて広くなっていますが、裄の寸法を測ってそのまま着物を仕立てようとすると、

反物巾が足りない!というようなことがしばしば起こります。

前述したように反物には縫い代が必要なのと、着物の上に着る羽織やコートは袖口から着物が出ないように、着物の裄より更に長くなくてはいけません。着物の裄を反物巾一杯の寸法で仕立ててしまうと、着物の上に羽織る上着の寸法が取れない!というなことが起こってくるのです。

 

先日生徒さんが「この着物のサイズに合わせて長襦袢を誂えてたい」と、まだ袖を通していないしつけ付きの着物をお持ちになりました。

この方は身長も160㎝くらいの標準体型ですが、お持ちになった着物の裄がものすごく長い!

お仕立てする時に「長くしておきましょうね」と言われたそうですが、この寸法ではそれより更に裄寸法が必要になる上着が作れません。

 

洋服の長袖の場合は、袖が手首まで来ていないと「袖が短い」という印象を受けますが、着物の場合は腕は袖の中にあって自由ですし、基本的に腕を伸ばしているということはあまりなくて、写真のように肘で曲がっていることが普通です。

ですから、裄の長い方も実寸法通りに仕立てなくても案外と問題は無いのですね。

それよりも、長襦袢・着物・上着の寸法の整合性を取ることの方が、美しく着るためには大切です。

つまり、長襦袢、着物、上着と少しづつ裄が長くなっていく必要があるのです。

このことを知らずにいると、袖口や振りから長襦袢が出ていたり、上着の裄の方が短くて袖口から着物が出ている・・・

などということが起こります。

 

譲られた着物やリサイクルで買った着物を、寸法の直しをせずに問題なくすんなりと着られるなどというのは、

裄の長い私からするととても羨ましいお話です。

けれど、なぜ綺麗に着られないのか?と悩むときが勉強の機会ですね。

先程の生徒さんも、遠回りした分、寸法についてきっとたくさん勉強されたと思います。

 

 

着物の勉強会

関東では暖かい日が続いています。

2月というのに、今年は底冷えの寒さという日がありません。

桜も今年は来月の中旬には咲いてしまうそうですね。

 

今月はなかなか忙しくて、先週は初等科の生徒さんと「きもの知識」の勉強、昨日は「着こなし講座」のインターンで、

恵比寿本校に行って来ました。

両日ともに朝早く家を出たのですが、そういう訳で暖かいので、コートを着ずに羽織で出掛けました。

余り着過ぎると、電車の中は暑いくらいですものね。

 

まず最初の「きもの知識」の授業は、生徒さんに大島紬や小紋、訪問着などを実際に手に取っていただける授業です。

恵比寿校に行く前に、こちらの授業で勉強してから行きますが、文章で読むのと、実際に触れてみるのでは大違い。

大島紬の滑りの良さなどは、実際に手に取ってみないとわかりません。呉服屋さんで「ちょっと触らせてください」とは、なかなか言えないですものね。

毎回色々な反物を見て触って、生徒さんの頭の中は一杯に。

でも貴重な体験なので、毎回好評です。

 

昨日は「着こなし講座」のインターン、つまりこちらの教室で「着こなし講座」を開くための教育実習で、

実際に受講中の生徒さんと一緒に勉強してきました。

受講中の生徒さんとの日程調整が難しく、毎回授業日がなかなか取れないので、今回は思い切って3講義やっちゃいましょう!とうことになり、昨日は一日勉強してきました。

内容は、礼装のコーディネートと色による顔映り、アイロンのかけ方、簡単な針仕事、しみ抜きです。

ね、盛り沢山でしょ!?

「着こなし講座」は季節ごとのコーディネートの他、上記のような講義や、鼻緒のすげ替えの授業もあって

楽しいですよ。

近いうちに、こちらでも「着こなし講座」のコースが開けるように頑張っているところです。

 

 

 

『着物憑き』

何となく恐ろしいようなタイトルですね。

これは昨年の秋に発行された、加門七海さんのエッセイのタイトルです。

新聞に紹介記事が載っていたのを読んで面白そうだと思い、図書館から借りて読んでいるところです。

 

加門七海さんは日本古来の呪術・風水・民俗学などに造詣が深く

それらをベースにした小説やエッセイをたくさん書いていらっしゃるようです。

この本もそんな内容の本で、本の帯に

「着物は選ぶものではない。着物が人を選ぶのだ。

 糸に布に織りにーーー入り組んだ情念を身にまとうとき、怪しい気配が立ちのぼる。

 着物をめぐる十一の談。」

とこれまた怪しい感じです。

読んでみると内容はそんなに怖くはなくて、東西の着物の好みの違いなど、着物に興味がある人やこれから着物を着てみたいと思っている人にもオススメ出来る本です。

この本にも書かれていますが、着物には何か「想い」が付いていくようですよ。

ここからは決して恐ろしい話ではありませんが・・・

今こちらに着付けを習いに来ていらっしゃる生徒さんが、練習用にご自分の着物をお持ちになりました。

「若い頃の着物なんですが・・・」とお持ちになったその着物は、優しい色の着物でした。

聞くと結婚する頃にお母様が見立ててお仕度して下さったもので、

ご主人が初めてご自宅を訪問された日に、お母様が着せて下さったのだそうです。

八掛にまで地紋が入ったそのお着物を見ていると、お嫁に出す娘へのお母様の深い愛情が感じられてきます。

 

このお母様は着物が大好きな方でしたが、最近はちょっと記憶力が衰えていらしたのだとか。

それでも「着付けを習いに行くの」と話すと、とても喜ばれたとのこと。私も嬉しくなりました。

若い頃に誂えた着物でも、帯を変えればまだ着ることが出来そうです。

是非着物を着られるようになって、その着物でお母様に会いに行ってねと話しています。

 

ところで、この着物についてはご主人もよく覚えていらつしゃるそうですよ。

「こんなに素敵な人が自分のお嫁さんになる!」って思ったのかも知れませんね。

この着物を着て是非お二人でお出掛けに!

ご主人もきっと嬉しいと思います。