「大相撲の道具ばなし」(坂本俊夫著 現代書館)という本をめくっていたら面白かったので、
ちょっとご紹介しようと思います。
まず、力士が締めている「廻し」。
これには①稽古用、②締込(しめこみ)、③化粧廻し
の三種類あるそうです。
①の稽古用は、文字通り稽古の時に使うもの。
これは「雲斎木綿」という足袋の底にも使われる厚手の丈夫な木綿で出来ています。
稽古用ですからかなり汚れますし、木綿なので洗うこともできます。
②の締込は十枚目以上の力士が本場所で使うもので生地は博多織の繻子。
博多織は着物の帯としてもキュッと締まる帯として有名ですから、もってこいですね。
締込は絹なので洗えません。
けれど、使ったままではいけないので、濡らしたタオルなどで汚れをとって干して使います。
そういうことですので、自分専用ですね。
キリッと締めても、勝負の途中ではずれることがあるそうです。万が一取り組み中にはずれたら、はずれた方が反則負け。二人係りで、しっかり締めます。
③の化粧廻しは、力士が土俵入りの際につける豪華なもの。
こちらは博多織や西陣織だそうで、後援会などから贈られます。
長さ7m・巾70cmくらいのものを六つ折り
にして腰に三重に巻きます。
重さは6~7kgとのことで、かなり重いですね。
力士は、土俵以外では浴衣を着ています。
浴衣に上下関係はありませんが、それ以外の物にはランクがあります。
例えば帯。
幕下になる前は縮緬帯で、幕下に上がると博多帯を締めることが出来ます。
履物は三段目から雪駄が履け、それまでは素足に下駄。
幕下になって初めて足袋が履けます。
土俵上でなくても外見で実力がはっきりわかりますから、
まだ実力の無い力士は上位の力士の姿を目標に、稽古に励むワケですね。
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