梅の意匠

2月に入り、間もなく立春。暦の上では春になります。

各地でそろそろ梅まつりが開かれる頃ですね。

「東風(こち)吹かば にほいおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」という菅原道真の歌は有名です。

MOA美術館所蔵の国宝「紅白梅図屏風」(尾形光琳)も、毎年この時期に展示されます。

今年も3月17日まで見ることができるようですよ。

若い頃は梅より桜の方が好きでした。

梅って、なんとなく渋い(?)感じがしていたように思います。

年齢が追いついてきたのでしょうか、最近は梅が好きになってきました。

右の写真は京都・北野天満宮の「北野福天神」というお人形です。

以前に梅の咲く頃訪れて、記念に買いました。

天神さんの胸にはお決まりの梅が描かれています。

梅の文様は、着物や帯に取り入れられていることがありますが、お茶の道具にもたくさん描かれています。

右は槍梅(やりうめ)、

左下は捻梅(ねじりうめ)

右下は梅の花を真上から見た形をそのまま表した梅鉢(うめばち)その他にも光琳梅や八重梅など、梅の意匠はたくさんあります

写真:「茶道具に見る日本の文様と意匠」森川春乃著

「くらべて覚える 風呂の茶道具炉の茶道具」淡交社編 

 

 

茶道具だけでなく名物裂の中にも、梅の意匠を見ることが出来ます。

こちらは藤種(ふじだね)緞子という裂。大名物「利休丸壺茶入」の仕覆に使われています。

 

松竹梅という言葉がありますから、梅は日本人にとって

昔からなじみ深い花なんですね。

中国から伝わった四君子(しくんし)文様は日本でも吉祥文様とされていますが、蘭・竹・菊・梅のことです。

梅はこちらにも入っていますから、古くから愛されてきた花なのでしょうね。