2024年認定式

昨日は、きものカルチャー研究所の年に一度の「認定式」が行われました。

今年の会場は明治記念館。

天気が心配されましたが、会場はJR信濃町駅から歩いても直ぐ。

何とか傘をささずに着くことが出来ました。

 

「認定式」は、この一年間に「着付け講師」や「着こなし一級」などの資格を取得した方々へのお免状の授与式です。

晴れの舞台ですので、皆さん訪問着や色無地、若い方は振袖などで式に臨みます。

参加者は関東圏の該当者とその関係者。

100名以上の方が着物を着て集まると壮観!

会場は華やかで艶やかな空気に包まれました。

 

私は、こちらの教室で中等科を修了され、着付け講師一級の認定を受けた生徒さんと参加。

一緒にステージの金屏風の前で記念の写真を撮ったりして、晴れの日をお祝いしました。

 

 

お料理もとっても美味しかった!

ですが、今回も運ばれるお料理に直ぐに手を付けてしまい、お料理の写真は一枚もナシ・・・。


今日は結婚式もたくさん行われたようで、館内のあちこちで

ウエディングドレス姿や白無垢の花嫁を見かけました。

お庭で記念撮影する様子も。

 

さて、去年お勉強を修了された方たちの認定式も終わり、

新年度に入りました。

来年の認定式を目標に、今年も生徒さんと着物に親しみながら、

楽しく勉強して行きたいと思っています。

 

 

 

 

「きもの知識」の授業

こちらに時々登場する、きものカルチャー研究所の人気授業「きもの知識」。

実際に反物に触れながら、着物の染織技術やその手触りなどを体験・勉強していただく授業です。

こちらの教室に反物は在庫していないので、「きもの知識」の授業は恵比寿本校で行いますが

昨日は初等科に在学中の生徒さんと勉強に行きました。

 

授業では、まず訪問着に使われている様々な染織技術から見ていただきました。

京友禅と加賀友禅の違い、京友禅に施された刺繡や金彩・・・

「刺繍にも色々なやり方があるんですね」。

 

紬などの織りの着物では、大島紬や結城紬、塩沢紬などを手に取り、

雑誌などの写真を見ただけではよくわからない”反物の手触り”も感じていただきました。「大島紬ってこんなに軽いんですね。結城紬は暖かそう。」

そして染めの着物。

江戸小紋を始めとして、いろいろな小紋の反物を広げて見ていただきました。

気に入ったものは鏡に当ててみます。「ステキ~♡」

 

この生徒さんは、初めての長襦袢のお仕立てを希望されていたので、

最後に長襦袢の反物も広げました。

自分のサイズに合った長襦袢を着ることが、着物をきれいに着るための第一歩。

反物の中から購入するものが決まり、校長先生にも立ち会っていただいて、お仕立てのために必要なサイズを測りました。

これで、ご自身にピッタリの「マイサイズ長襦袢」が仕上がります。

 

実は色々な反物を見ているうちに、私も好みの反物を発見!

ちょうど「これから着る夏の着物が欲しいワァ」と思っていました。淡い色の絽の小紋です。

鏡の前で合わせていたら、「先生の雰囲気にピッタリです!」と生徒さんに背中を押され、

私もお仕立てしてもらうことになりました。

 

生徒さんの長襦袢も、私の着物も、季節としては仕立て上がり次第直ぐに着られます。

二人で仕立て上がりを楽しみに待つことになりました~。

 

 

 

着物を仕立て直す

一緒にお茶を習っている友人から、

「お姑さんからいただいた絞りの着物を、羽織に仕立て直ししたいのだけど」と、相談を受けました。

私も仕立て直しをしたい着物と、仕立ててもらいたい白生地があったので、

一緒に和裁の先生の所へ伺うことにしました。

 

「絞り」いろいろ
「絞り」いろいろ

当日見せてもらった「絞りの着物」は、着物全体に絞りが入った

いわゆる「総絞り」の着物。

90歳を越えたお姑さんはもう着ないとのことで譲られたそうですが、

全体的に淡い色合いですが一色ではなくて、ところどころに別の色も入った、

とてもステキな着物でした。

これをいったんほどいて洗い、友人のサイズに合わせて羽織を仕立てることになりました。

念のため着物を着て行ったので、この機会に全体の寸法のチェックをしてもらい、

それから鏡の前に立って、羽織丈を決めました。

羽裏はどうしましょう?ということになりましたが、ちょうど在庫の中に淡いぼかしの優しい色合いの生地があり、

表生地との相性も良さそうで、ご本人も気に入られたので、こちらに決定。

ステキな羽織が出来そうです。

 

私の方は、仕立て直しと色無地お仕立ての相談です。

写真の左は紅花紬ですが、表地と裏地のそぐいが合わなくなってきてもう着る季節も終わるので、仕立て直しをお願しました。

袷の着物は表と裏の生地が異なるので、何年かすると生地の伸縮度合の違いから、どうしてもダブダブしてきます

このため、何年に一度かは着物をほどいて洗い、仕立て直しをお願いすることになります。

反物に戻して洗うことで反物は生き返りますし、サイズ直しがある場合や八掛を取り替えたい場合などは、この機会を利用します。

 

右の白生地はいただいたもので、ずっとしまってありました。このまま取っておいても仕方ないので、色無地が出来るかどうか相談に。

実は、私の着物を仕立てるには反物の長さが足りません。

 

それを、仕立て方を工夫することで出来るかどうか、

という相談です。

こちらは寸法についてもう少し厳密な見積もりが必要とのことで、お預けして検討していただくことになりました。

 

それにしても、着物の再生能力はすごいですね。

「大切に扱えば、仕立て替えをしながら世代を越えて

長く楽しめるわね」

友人と、そんな話をしながら帰ってきました。

 

 

 


着物を「着ること」と「着せること」

こちらの教室で中等科(他装を勉強)でお勉強されていた方が、

先日修了試験に無事合格されて、着付け講師一級の認定を受けられました。

中等科の修了試験の実技試験は「留袖を15分で着せる」。

中等科も終了するころには手際も良くなり、通常こちらも心配するようなことはありません。ほとんどの方が少し余裕をもって着せ終わり、残りの時間を手直しに充てることが出来ます。

 

中等科修了の際には、上記のような「人に着せる(他装)」試験と共に、

着物を着た自分自身を撮影して提出することも必要で、これを「認定写真」と言い、

今まで勉強してきたことを踏まえて、着物を着たご自身の「ベストポーズ」を写真に収めます。

これは自分で用意しても、写真館で撮っても、また各教室で撮影しても良いのですが、

いずれにしても、こちらは「自装の総まとめ」ということになります。

 

先述の生徒さんも、認定写真を提出されました。

着姿と共に、写る際の姿勢や表情などみな素晴らしいお写真で、

ご覧になった校長先生からお褒めの言葉をいただきました。

この方は中等科の過程が終了されたわけですが、

「もっと着物の勉強を続けたい」とおっしゃって、高等科へ進学されます。

自分で着ることも、人に着せることも、どれだけやっても終わりということはありませんから、私も一緒に勉強していくつもりです。

 

ところで話は変わりますが、今年の1月の成人式で振袖の着付けをさせていただいたかたからお便りが届きました。

着付け後にお願いしたアンケートが2ヶ月遅れで届いたものですが、最後に嬉しい言葉が書かれてありました。

「地元を離れて直前まで留学していた私にとって、成人式は少し憂鬱な行事でした。

 でもきれいに着物を着付けていただき、自信をもって参加することが出来ました。

 また機会がありましたら、よろしくお願いします」

着物がこの方の気持ちを明るくして、そっと背中を押してくれたのかもしれませんね。

着物を着ることで、楽しく成人式に出席されたご様子を嬉しく思います。

 

 

 

雪の文様

テレビのニュースでは、朝からずっと積雪の話題です。

こちらでも雪は昨晩から降り始め、朝起きてみると一面真っ白でした。

昨日からこの積雪は予報されていたので、今日は出掛けなくても済むように

買い物も昨日のうちに済ませました。

現在広い道路の雪は既に解けているようですが、

日陰の雪は残りそうですね。

 

いざ出掛けるとなるとなかなかたいへんな「雪」ですが、様々に意匠化されて着物や帯の文様に使われてきました。

右の写真は「小袖萌黄紋縮緬地雪持竹雀文様」と呼ばれる篤姫所用と伝わる着物の裾部分です。このような草木に積もる雪を現したものを「雪持文」と呼び、雪持笹、雪持松、雪持柳などたくさんあります。

 

また、下の写真は夏用の帯ですが、「雪輪」と呼ばれる

雪の結晶をイメージした文様です。

雪輪文様はもちろん冬にも使われますが、夏帯や浴衣の文様にも使われ、暑い夏を涼しく演出します。↗

雪の文様は、お茶の道具にも使われています。

右上は「雪花蒔絵棗」。

雪の結晶が描かれています。

今日のような日に使うと、

とても印象に残りそうですね。

下は、「亀甲雪花蒔絵交合」。

こちらも今の季節ならではの

交合です。

 

雪のほかに「霰(あられ)」もあります。

着物で霰というと江戸小紋に多く見られますが、お茶では写真のような釜の地肌霰と呼んでいます。

 ↙     ※茶道具の写真は、

    「茶道具に見る日本の文様と意匠」森川春乃著 より


↙ところで話はガラッと変わりますが、左は川瀬巴水の「芝増上寺」です。赤と白のコントラストが美しいですね。

雪の降る中、着物姿の女性が傘をつぼめて増上寺の前を通り過ぎていくところで、とても風情のある版画です。

 

 

足元を見ると、履いているのは下駄。

雨や雪の日は、二枚歯の下駄を履くと着物や足袋を汚しません。道のほとんどがアスファルトになった現代では、ぬかるみを歩くことが無くなり、こんな下駄を履く人をほとんど見なくなりました。

それでも時々雨の日にこんな下駄を履いている方を見かけると、お洒落に気を配っていらっしゃるように感じられて「素敵だわあ~」と思います。

 

 

 


帯結び

年が明けてから、既に半月が経ちました。

年が明けてから慌ただしくしていましたが、まずは7日の成人式で振袖の着付けをしました。

今回は、ご本の希望で振袖にブーツ。

同じ振袖でも、「袴にブーツ」の場合は袴に隠れて着物の裾は見えませんが、「振袖にブーツ」の場合は着物の裾が見えます。ブーツの長さによっても感じが異なりますから、当日ご本の希望を伺って着丈を決めることになります。

 

今回は5cm身長が低いお母さまの振袖を着ることになっていました。

ご本人の身長が5cm高い分着物の丈が短いことになりますが、

ブーツの場合は通常よりも丈を短く合わせるので、着物丈の短さは気にせずに着せることが出来ました。

ご本人にお会いするのは当日が初めてでしたが、昨年のうちに拝見していたお写真の雰囲気から帯結びのアレンジを考えて、結果気に入っていただけたのでホッとしました。

 

ところで、寒いせいもあるのでしょうか、暮れから生徒さんに指先の不調が続き、心配しました。

お一人は中等科の生徒さん。振袖の帯結びを練習されている頃だったのですが、別のところで突き指をしてしまい、

帯結びが困難な状況に。

振袖の帯結びは帯でヒダを作ったり、折ったりたたんだり・・・するので、けっこう指先に力が入ります。

指先にケガをしていると、つらいこともあります。

ですから、着付けのお仕事をいただいたら、着付けの前には指先に注意したりしまよ(包丁とか!)。

 

もう一人は初等科の生徒さんで、今は修了試験前。

自宅練習で、「やりすぎて指が痛くなりました!」

授業を休むほどでは無さそうなので良かったですが、日ごろ使わない筋肉(!?)を使いすぎたのかも・・・

 

ところで話は変わって、間もなく初釜です。

今回私はお弁当とお菓子の係を仰せつかって、先日予め支払いに行きました。

お弁当ですが、「お弁当とお茶」に「持ち帰り用のポリ袋」をセットにして、人数分発注します。

支払いに行く際先生が「去年はポリ袋は3円だったけど、今年は値上がって4円かも知れないわね」とおっしゃって、

その分見込んで支払いに行ったところ、「ポリ袋は一枚5円です!」と。

僅かですが、予定の金額では足りません。

何でもかんでも値上がりですね。

 

 

「きもの知識」の授業

今年は慌ただしくて、気がつくともう12月の中旬です。

ずっと暑かったというのもあるかもしれませんね。11月上旬の授業まで、扇風機が活躍していましたから。

年の瀬が迫ってくる・・・という感じがしていませんでした。

先日のニュースで「成田山新勝寺の煤払いが行われました」というのを聞き、「えっ、もうそんな時期!?」と焦りました。

 

恵比寿アトレ入口
恵比寿アトレ入口

そんな中、昨日は生徒さんと恵比寿本校に「きもの知識」の授業に行きました。

久しぶりの東京でしたが、街はすっかりクリスマス。

ガーデンプレイスの方はとても綺麗だそうですが、

以前に見たことがあるし、学校とは方向が違うので今回はパス。

 

ところで「きもの知識」は、紬や小紋、訪問着・・・などを実際に目で見たり、

生地に触れて実感していただける貴重な授業です。

一般的に呉服屋さんで「ちょつと見せて下さい」とは簡単に言えませんから、

この授業はとても好評です。

 

「大島紬は糸が細くて軽いけど、ほっこりして温かみのある結城紬の反物は、巻の太さがこんなに太いのよ」 「うわあ、本当ですね」。

触れてみることもできるので、手触りも感じられて勉強になります。

着物を選ぶ際には、鏡の前で実際に反物を当てて、全体の雰囲気が自分に合うかどうかを確認した方が良いですよ。

生徒さんも気に入った反物を身の丈くらい広げて、鏡の前で当ててみます。

「こんな感じなんですね。ステキだなあ」

その他にも、袋帯や名古屋帯、小紋など色々な反物を手に取って勉強していただきました。

「なかなか貴重な体験でした。ありがとうございました!」

と満足されたご様子で、恵比寿校まで足を運んでいただいた甲斐がありました。

 

話は変わりますが、年内にはこちらで中等科の生徒さんの中間試験もあります。

中間試験は振袖の着付け。

今試験に向けて、最後の仕上げに頑張って勉強されていらっしゃるところ。

 

私も年明け直ぐの成人式の着付けを依頼されたので、生徒さんと一緒に振袖の着付けを練習中です。

今回は、ご本人の希望で履物は草履ではなくてブーツ。

着付けも時代と共に変化していきますね。

 

 

着物のはなし

読売新聞オンライン11/8より
読売新聞オンライン11/8より

今日は最近目にしたり耳にした着物のはなしをいくつか。

 

まず今月上旬に佳子さまがペルーを訪問された際のお着物。

眞子さまも着たことがあるお着物だそうですが、

とてもきれいな色で、オレンジ系の帯・帯揚げと共に若々しい印象でした。

私は後ろ姿を目にする機会が無かったのですが、帯結びはおそらくふくら雀。

可愛らしく上品なお姿にピッタリです。

 

次は16日の朝日新聞の記事。

訪日外国人の数が新コロナ以前のそれを越えたのいうニュースです。 

最近は「こんなところに?」と思うような、以前には見かけなかったような場所でも訪日外国人の方々を見かけますね。

新聞の記事は、銀座の老舗呉服店で中国からの若いカップルが着物や帯など合わせて800万円ほど購入したとか、米国から来た女性が300万円の訪問着を仕立てた・・・というような記事です。

「高くても質の良いものを求める人が増えた」そうですが、

日本人にもなかなか手の出ない金額ですね。

 

最後は「着物のはなし」を少し別の角度から・・・。

現在東京国立博物館で特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」というのをやっています。

機会があれば是非行ってみたいと思っているのですが、NHKの日曜美術館でその紹介番組をやっていました。

 

そこに画家の山口晃さんが出ていらして、博物館の展示物「白描画・源氏物語」の前で、日本の着物についてこんな風にお話しされました。

「着物は型紙で、つまり2次元で、折り紙です。でもそこに3次元の肉体が入ったときに、その2次元が3次元にちょっと邪魔される・・・それによって「得も言われぬライン」が、立体裁断では絶対に出ない直線のようでいながら、ふわっと柔らかさを含む、それが袂の部分とかに・・・」

さすが画家さんです。私には出来ない表現で着物の美しさを表現して下さった!と思いました。

 

着物は直線裁断で、それを曲線の肉体の上に纏うワケですから、着物を着るとシワが寄ります。

着物の着付けを習う際には「シワが出ないように!」と口を酸っぱくして教わりますね。

着物の雑誌では、シワが一つも寄っていない美しい着物姿がズラリ。

 

でもそれはあくまでも「撮影用」。動けばシワは出て来ます(もちろん最初からシワシワはいけませんが)。

その辺りのことを山口さんは「得も言われぬライン」と表現して下さいました。

芸術家はさすがだなあ~。

 

 

足袋と草履

現在販売中の「美しいキモノ・秋号」に、足袋と草履のことが出ていました。

「着物を着る」というとどうしても着物や帯のことにばかり気になってしまいますが、

実際に着物でお出掛けということになると、足袋や草履についても気を配ります。

 

足袋はシワなく自分の足にピッタリと合ったものが美しいとされています。

履きなれないと、少しきつく感じられるかもしれませんが、

既製品の足袋でもストレッチの効いたものや、足幅の狭い方のための細型や逆に幅広の物、甲高の物などもあります。

 

実はマイサイズの足袋を作ることも出来るんですよ。

今回の「美しいキモノ・秋号」ではそんなオーダー足袋を作って下さるお店もご案内。

大野屋總本店(中央区新富町)と 向島めうがや(墨田区向島)が店構えの写真と共に紹介されています。

既製の足袋が足に合わなくて悩まれている方は、一度お尋ねになると良いかもしれませんね。

 

話は少し変わりますが、美しい着姿のためには白いきれいな足袋を履くことは大切です。

結婚式やお宅への訪問、お茶会などの際には、その時に白いきれいな足袋でいられるように、替え足袋を持参したり、足袋の上に「足袋カバー」を履いて行ったりします。

座ったら裏が汚れていた・・・なんてことも無いように。

もちろんシワシワの足袋も履いて行かないように。

そしてお草履の話。

草履は本来は足の指先に引っ掛けて歩きます。決して指の根元まで差し込みません。

そうすると自然、かかとは草履の後ろからはみ出るようになりますが、こちらが正しい履き方です。

「美しいキモノ・秋号」に記載されている草履の歩き方をそのまま書くと

「膝を緩めたまま小幅で踏み出して足指で踏ん張り、後ろ足は低く擦るようについていく」。

つまり靴のようにかかとを付けて着地するのではなく、

「草履をつま先に引っ掛けて、擦るように歩く」感じです。

 

慣れるまでなかなか大変ですが、街中でこんな感じで歩いていらっしゃる方を見かけると、やはりとても「着物らしい」、

着物を着慣れていらっしゃる印象を受けます

 

現在では草履の台の素材や形、鼻緒の種類・・・

たくさん出ています。

靴と同様合わないものを履いて出掛けるのは苦痛ですから、

出来れば履物店で購入し、鼻緒の調整までしていただくと安心です。

 

 

 

重陽の節句

9月に入り、本来なら単衣の季節です。

半衿も夏物を外して、塩瀬へ。

帯揚げや帯締めなどの帯周りの小物類も、季節の先取りで秋物に変わる頃。

ですが、今年はちょっと悩みますね。

台風も過ぎ去りましたが、まだ猛暑は続くそうです。

流石に真夏の「うすもの」はもう着られない感じがしますが・・・

まだまだ暑くて、その日の天気や気温と相談、という感じでしょうか。

 

いくら暑くても季節はちゃんと巡ってきて、今日9月9日は重陽の節句。

陰陽の考え方だと奇数(陽)は縁起が良いと考えられていて、

「9」はその中で最も大きな数字。

9月9日は、それが重なるのでたいへんにおめでたい日とされています。

重陽の節句は「菊の節句」とも呼ばれて、菊湯・菊酒、菊をイメージした和菓子など・・・

また長寿を祝うとされていますが、なるほど敬老の日も近いですね。

 

菊は着物の柄にも良くあります。

菊の花が咲くのは秋ですが、

デザイン化されて着物に描かれるものは、通年利用できます。 

年齢にも関係なく、上品なので礼装や帯の柄にもよく描かれています。

 

菊のデザインは茶道具にも。

菊の表現方法は実はたくさんあって、ムジナ菊、乱菊、光琳菊・・・

それだけ菊は、昔から日本人に愛されてきた花なのでしょうね。

茶道具(棗)
茶道具(棗)

 

話は変わりますが、母の一周忌が過ぎました。

一年前のことを思い出しながら花を飾っていますが、こちらにも菊の花。

まだまだ暑くて花も直ぐに枯れてしまうのでは?と心配しましたが、

菊の花は暑さにも負けず、シャンとしてくれていて嬉しいです。

 

来週末には、妹と予定を調整して、二人で少し早いお墓参りに行く予定。

その頃にはもう少し、涼しくなっていると良いですが。