図書館に右の本があったので借りてきました。
今年9月に発売された「別冊太陽」です。
樹木希林さんが亡くなって一年余りになりますが、希林さんについて多くの本が出版されていて、
どれもみなよく読まれているようです。
その中でこの本は「希林さんときもの」ということで、ちょっと変わり種かもしれませんね。
希林さんは「物を買わない、溜めない」ということで有名な人。
そんな希林さんですが、娘の也哉子さんがこの本の冒頭で、着物だけは別だったと書いています。その着物も新しいものではなくて、古着屋で手に入れたり他人から貰ったりした古着がほとんど。
それらの着物に上手に手を加えて自分らしく着こなすのが希林さん流でした。
着方も自然で、正に「纏う」という言葉がぴったり。
本の中で、楽に自然に着物を纏ったお姿をたくさん見せてくれています。
着付けもご自身でされていた希林さんですが、ホテルに泊まった翌朝、着物を着て出かけようとしたときにどうしても帯締めが見つからず、目に留まった電気ポットのコードを帯締代わりにして出掛けた・・・というお話にはビックリ!
さすがにこれは希林さんにしか出来ない技かもしれません。
亡くなる少し前、「モリのいる場所」と「日々是好日」の二つの映画を続けて観ました。「モリのいる場所」では画家の妻、「日々是好日」ではお茶の先生を演じていらして、どちらも着物を着ていらっしゃいましたが、その着姿はまるで別人。
「日々是好日」では用意された衣装の裄が希林さんに合わなかったそうですが、
「私は女優よ、どうとでも着られるわよ」とおっしゃったのだとか。
希林さんは着られなくなった着物も、昔のものは生地や柄が素晴らしからといって、
洋服にしたり、帯に仕立て変えたりして、最後まで慈しんで使い切りました。
着物を大切に思う心は娘の也哉子さんやお孫さんたちにも受け継がれていて、
希林さんの着た着物は仕立て変えられたりして、也哉子さんやお孫さんたちに
伝えられているようですよ。