先週の日曜日、水戸・偕楽園の梅まつりに行ってきました。
この日は20℃を越える気温がニュースにもなった日。
本当にポカポカで人も多く、始まったばかりの梅まつりですが花は結構咲いていて、良い香りか漂い、散策には
絶好の日でした。
この日に偕楽園を訪れたのは、毎週日曜日には野点でお茶がいただけるからです。
野点は、裏千家・表千家・石州流・江戸千家など、毎週異なる流派がお点前を担当されるようです。
私が行った日は石州流の方々が担当。
石州流は、四代将軍徳川家綱公の茶道指南役だった片桐石州を流祖とする武家茶道の流派です。
違う流派のお点前を拝見できる貴重な機会なので、楽しみにしていました。
お点前を拝見していると、お道具の配置や扱い方も少しづつ違います。
お点前も武家茶道だからでしょうか、どことなく勇ましく
感じられます。
私が座った回は女子高生がお点前を。
初々しくて微笑ましかったですが、目の前のおばさんがじっと見つめるのでやりにくかったことでしょう。
ごめんなさい・・・。
話は変わり、今週はお茶の友人と東京国立博物館で開催中の「本阿弥光悦の大宇宙」展へ行きました。数日しか違いませんが、梅まつりに行った日とは打って変わって雨降りの寒い日。「混まないうちに」と相談して朝早く行きましたが、それほど混んでおらず、ゆっくり見ることが出来ました。
俵屋宗達との合作で有名な「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」の本物や、光悦手びねりの有名な茶碗がずらり。
どの作品もとてもモダンな美しい造形で、古さを全く感じさせません。
美しいものをたくさん拝見した一日でした。
昨日は社中の初釜でした。
場所は去年と同じ柏市あけぼの山農業公園内の柏泉亭。
以前利用していた柏の葉公園のお茶室よりずっと近く、駐車場からも歩いてすぐなので、社中の皆さんには好評です。
ですが、「昼過ぎまで激しい雨」の天気予報が出ていました。皆さん着物を着るので、雨模様というのはちょっとツライ。
私も雨コートに雨草履を履き、万全の態勢で向かいました。
私は小間用のお菓子の担当で、頼んであった和菓子屋さんに立ち寄って、出来立てのお菓子を受け取っていく予定でした。
和菓子屋さんの朝は早いですが、まだお店の開いていない時間なので、お店の脇を通って勝手口に来るようにと言われていました。
お伝えしてあった時間に扉をトントンと叩くと、直ぐに返事が。かなり雨が降っていたので「大丈夫ですか?」と心配していただいた上に、「一つオマケしておきました!」
と嬉しいサービスが。
皆でいただく大切なお菓子なので、車のシートに載せた後は
雨の中を慎重に運転して向かいました。
お茶室では無事に皆が揃い、お正月のご挨拶をした後で、午前中は広間に揃って濃茶をいただきました。
この時のお菓子は花びら餅。「青松多寿色」の掛け軸とともに、新年のおめでたいムード。
お昼はなだ万に頼んで配達してもらったお弁当。
お腹も満たされた午後はグループに分かれます。
広間と小間で、各自お点前をしたり水屋仕事をしたり、また逆にお客様になったり・・また、初めて拝見するお道具があったり、一年に一度しか会えない人とおしゃべりをしたりして一日楽しみました。
今回は先生が広間・薄茶席のために「おかわり」用のお菓子をご用意くださいました。
「おみくじせんべい」といって、おせんべいを割ると中からおみくじが出てきます。
「わあ、大吉だワ」「私は小吉よ」などと盛り上がりました。
ちなみにわたしは小吉。「日々の判断、意思が福招く」とありますので、
ことしも前向きに行きましょう!
この日のために色々とご準備してくだった先生、どうもありがとうございました。
気がつくと、今年も残り一週間となりました。
今日はクリスマス。
昨日のイヴは日曜日だったので、街中は賑やかだったことでしょう。
私は昨日午前と午後に着物教室の授業をして、年内の予定を終えました。
今年も生徒さんと着物について勉強しながら、生徒さんからも多くのことを学びました。
皆さんと一緒に楽しく勉強出来たことに感謝しています。
年明けには、お茶の社中での初釜があります。
皆でいただくのは花びら餅。
これとは別に小間席の主菓子が必要で、私はその手配を仰せつかりました。
近所のお菓子屋さんに問い合わせたり、直接伺って相談して見たり、折角なので少し買ってきていただいてみたり・・・して、先生にご相談の上、お願いする和菓子屋さんを決めました。
肝心の和菓子は季節もの。
お正月のお菓子は暮れから店頭に並ぶとのことなので、もう少ししたらどんなお菓子か見に行って(また試食して!)、
また先生にご相談して決定します。
そのお茶ですが、
1月から、こちらの教室でも「茶道教室」を始めることにしました。
着物について勉強された皆さまに「定期的に着物を着る機会を提供したい」と以前から考えていましたが、お茶のお稽古をすることで「着物を着たり」
「着物での所作」を体験していただけたらと思っています。
※詳細は、「和裁教室/茶道教室」のページをご覧下さい。
今年も色々なニュースを見たり聞いたりしました。
心を痛めるような話もありましたが、来たる年は平和な一年でありますように。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
先日、先生のお宅でお稽古茶事がありました。
今回のご亭主はまだ若い方で、ご亭主役は初めて。
私は正客を仰せつかり、前日までにお茶事の流れを一通り復習して臨みました。
11時半からの始まりに合わせて15分ほど早く到着し、待合で支度を整えます。
11月はお茶人のお正月。
定刻になり席入りすると、床には今回のお茶事にふさわしい「寿」と書かれた軸と
茶壺が飾られていました。
最初にご挨拶を交わした後、まず初炭。
つつがなく終わったかと思いきや、お客様の中から炭の匂いに気分が悪くなった人が・・。
今の住宅は気密性が良いので、炭を使う際には先生も窓を開けて下さるのですが、
換気が必要です。
先程の方は席を外して少しの間待合で休んでいたら、幸いにも回復。
実は朝ごはんを食べていらっしゃらなかったとことで、そんなことも要因だったかもしれませんね。
それ程寒く無かったので、少し開けていた窓をもう少し広く開けるようにして、
その後は順調に進みました。
この「炭」ですが、今回はご亭主が「初炭」で上手に炭をついだのでしょう、
火が良く起こってお湯がよく沸いている様子が伺えました。
この炭は、その後懐石が終わり中立ちをして濃茶を点てるまで沸いていなければなりません。
これがちょうど濃茶が終わる頃に炭が燃えつきて火力が弱くなり、その後の薄茶のために「後炭」のタイミングで
新たに炭がつがれます。
実際に茶事に臨む中でこの火の様子を見ながら、長い間継承されてきた「茶事の流れ」は理にかなっていると思いました。
今そこで用意されたお料理をいただき、炭で沸かしたお湯でお茶をいただき、
その間に拝見するお茶道具の数々・・・とても充実した時間を過ごしました。
お茶事が進行する中でのお互いの思いやり、席を一にした者同士が気持ちを寄せ合い、幸せなひとときを過ごすこと・・・
お茶事の場をご提供して下さった先生、豊かな時間をご一緒した皆さま、
どうもありがとうございました。
私のお茶の先生が、東京の小学校から依頼を受けて、「お茶の一日体験授業」の講師を長年続けていらっしゃいます。
毎回社中の誰かにお声がかかって、アシスタント(?)として先生に同行します。
今年はその日に他の予定が無かった私に声をかけていただいて、東京・谷中の小学校へ同行しました。
三年生の一組と二組、それぞれ30人くらいのクラスを45分の授業で一回ずづ、
3時間目と4時間目の授業ということで伺いました。
場所が谷中でお寺も多く、今回お邪魔した小学校も周囲の景色に溶け込むようなデザインで建てられていて、
タクシーから降りて直ぐは「え、小学校はどこ?」と見渡してしまいました。
授業の初めに、先生がお茶について
「お茶はみんなが仲良くするためにあるのよ」とお話しされるのを、
子供たちは目をキラキラと輝かせながら聞いていました。
その後で一番簡単な「盆略点前」を先生の解説付きで披露したあと、
和室と隣の椅子席の部屋に分かれて、いよいよお茶を点ててみることになりました。
短い時間の中ですから細かいお点前は抜きにして、
清めたお茶碗に、棗から茶杓でお茶をすくって入れ、
お湯を注いだところを茶筅で実際に点ててみるところだけをやってみます。
分かれたグループの中で、お茶を点てる人とそのお茶をいただく人、
それぞれ替わりばんこで。
やはりシャカシャカと茶筅を振るところが「お茶」らしく感じられるのでしょうね。
みんな頑張って茶筅を振っていました。
お茶が点つのを待っている方は、
心配そうに茶碗の中をのぞき込んだり、美味しそうにお菓子を食べていたり。
概ねみんなお茶は美味しくいただけたようでした。
お菓子を食べた後のお茶は、美味しいですからね!
子供たちにも楽しんで貰って無事に授業を終えたころはお昼。
子供たちは給食のために教室へ戻り、私たちも学校を後にしました。
それでは我々もお昼を・・・ということで、
毎年こちらに足を運んでいる先生のおススメの近所のおにぎり屋さんへ。
出されたおにぎりはお米がピカピカでした!
心もお腹も満たされて、それから帰宅の途につきました。
新コロナに対する防御?対策も最近は少し緩くなって、
以前は先生と二人きりのマンツーマンだったお茶のお稽古も、2~3人くらいならご一緒出来るようになって来ました。
一人だけだと自分のお点前のお稽古は出来ても、
他人のお稽古を見たり、点てていただいたお茶をいただく「お客様」の勉強が出来なかったり・・・
やはり一緒にお稽古する方がいらした方が勉強になるし、楽しい時間が過ごせますね。
先日は社中の友人とお稽古の時間を合わせて、久しぶりに一緒にお稽古しました。
とても楽しかったので、こんな風にお稽古できる日がこのまま続くといいな~と思います。
ところで、先生から「お稽古の様子をとてもかわいいイラストに描く方がいるのよ」と聞いていました。
その日のお稽古の様子や出されたお菓子、一緒にお稽古した方々のお着物などを
家に帰られてからイラストにされていらっしゃるそうです。
私は初釜でしかお会いしたことが無いのですが、少し前に先生からそのイラストを見せていただいて、その可愛らしいタッチに感動!
お稽古した後に家に帰って、それを思い出しながらイラストに描き起こせるってすごいですね。
こんな才能があったら、ワタシももう少しお点前が覚えていられるかも・・・?
またまた話は変わりますが、お茶のお道具を一つ手に入れました。
濃茶を入れるお茶入で、高さ10センチ弱の小さなお道具です。
サイズは小さいですが、お茶室の中での存在感はなかなかのもの。
「直接買いに行く」のもなかなかたいへんなので、結局ネットであれこれ探すことになるワケですが、その形や産地に多くの種類があり、一つに決めるのはなかなか時間がかかります。
色々悩みながら購入しましたが、「手に持った感触」や重さの感じは、
やはり実際に手に取ってみないとわかりません。
ネットでの購入は写真だけの判断なので無事に届くまで心配でしたが、届いた品物を開けてみると、パソコンで見ていたのより少し明るめ、仕覆も綺麗でした。
古いものなので一度洗いたいと思いましたが、先生にお尋ねすると「洗剤は使わない方が良い」とのアドバイス。
なので、内側だけ湿らせた布をよく絞って、外側は乾いた布できれいに拭きました。
お稽古では準備と片づけは先生がして下さっていますが、
お道具の扱いは自分の物を得て初めて勉強になるのだと思いました。
準備して、使って、片づけるところまで勉強です。
私たち日本人は、物を包むのが好きですね。
デパートなどで買った商品を丁寧に包んでもらえるのは、世界の中でも珍しいことなのだそうです。
とはいっても、最近は「エコ」ということで、簡易包装が進んでいますが。
お茶の道具も、大切なものには専用の袋がついています。
いただいた茶椀を包んでいる袋が傷んでいるので、作り直そうかと思いました。
右の写真でいうと、ピンクは茶箱点前で使う茶杓の仕覆、手前の小さいのは同じく茶箱点前の棗の仕覆。
左の大きいのは茶碗が入っているのが御物袋で、
今回作り直そうかと思った袋です。
古い有名な茶入には、歴代の茶人がそれぞれ自分好みの仕覆を作って来ました。
例えば大名物・松屋肩衝(まつやかたつき)には
村田珠光が珠光緞子
千利休が利休間道
古田織部が織部緞子
小堀遠州が遠州緞子
と呼ばれる名物裂で仕覆を添わせてきました。
一つの茶入れで、着物が4枚もあることになります。
私の道具はもちろんそんな立派な物ではありませんが、先生に写真の御物袋の相談をすると、
「仕覆はお客様の目に留まることを想定した場合のものだけど、御物袋は収納専用なのよ」
と教えて下さいました。
つまり他人の目に触れる物ではないので、別の柔らかい布で包んでも良いし・・・、ということです。
「お茶事で茶碗荘のお点前をすることが決まってからでも遅くない」とアドバイスをいただきました。
他人の目に触れるまでは収納専用ですから、自分でこしらえても良いワケですね。