今NHKの朝の連ドラの再放送で「マー姉ちゃん」をやっています。
オンエアは昭和54年とのことですので随分昔のことで、若い方はご存じないことでしょう。
原作は「サザエさん」の作者・長谷川町子の自伝エッセイ漫画「サザエさんうちあけ話」で、
「マー姉ちゃん」は町子さんのお姉さんのこと。
明るく楽しいお話なので当時も楽しく見ていたことを思い出しながら、毎日欠かさずに見ています。
今日のお話は戦争が終わって間もない昭和22年のお正月。
妹のヨウ子が振袖を着て登場。髪は日本髪。
戦後間もなくで物も十分に無かったような時代、
ヨウ子の振袖姿はそれは美しく輝いて、近所の人が集まって
「きれい、きれい」と皆で褒めそやすシーンが印象的でした。
若い方の振袖姿に周囲を幸せな気持ちにするチカラがあるのは、
今も昔も変わりませんね。
今振袖に日本髪を結う方はあまり見かけませんが、
ヨウ子のきちんと結われた日本髪の襟足は、若い人ならではの
初々しさが出ていて、画面越しにも本当に美しいものでした。
ところで、着物の袖の「丸み」というのをご存知でしょうか?
着物の袖口の下方の角の部分のことを指しますが、
実は自分の好みに指定できる部分です。
「丸み」が大きい方が何となく可愛らしく、一般的に子供の着物はこの丸みが大きくなっています。振袖の袖も丸みは大きいのが一般的。
それとは逆に、大人礼装などはこの丸みが小さくなって普通は5分丸み。
現在ではこの丸みについて指定してお仕立てする方はほとんどいらしゃらないので、黙っていると大人の着物は5分丸みとなります。
袖の丸みは大きい方が何となく動きやすく邪魔になりませんから、
普段着の木綿の着物などは、この丸みが大きくても良いと思います。
先日生徒さんで、丸みの大きな着物を着ていらしたのでお尋ねしたところ、その着物はご主人が呉服店にお願いして仕立ててもらったものとのことで、「帰って聞いてみます!」とのことでした。
次の授業で「どうでした?」と伺ったところ、ご主人がわざわざ大きな丸みを指定されたとのこと。
もしかするとお着物に詳しいご主人が、可愛い奥様に似合うように大きな丸みをご指定されたのかもしれませんね。