着物を仕立ててみる

こちらの教室の中等科を卒業された方から、

「自分で着物を仕立てみたい」というお話がありました。

 

こちらの教室の「着物を仕立てる」授業は、

『着物をきれいに縫う』というよりも、

反物からどのようにして着物が出来上がるのか、

なぜ着物は仕立て直しが可能なのか、

着物の表と裏を取り換えるってどういうことなの?・・・

などなど、着物をより理解して貰うための講座です。

 

また、着物を縫い進めていくと、これまで伝えられてきた和裁の技や日本人の知恵などに触れて感動することもあり、それらを実感してほしいという気持ちもあります。

ですから、生徒さんからこんなお話が出て来て、とても嬉しく思いました。

 

初めて縫うのですから、まずは縫いやすい生地を探していただくところから。

柄の大きい物などは柄合わせだけで大変なので、

「柄合わせに苦労しない生地を探してね」とお話してありましたが、

濃紺の無地の麻の反物を探していらっしゃいました。

真夏に着るのに、とても涼しそうです。

 

着物を仕立てるには、仕立て後に狂いが出ないように、作業の前に前処理が必要です。

今回は麻の反物なので、最初に一度水に通しておくと、仕立て後に自宅で洗っても縮みません。

この水通しにもチャレンジされました。

 

先日の一回目の授業で、水通しをした後の反物で、軽く見積もってみました。

長さも十分余裕がありそうです。

初めて着物を縫うので、初めての授業では基本の運針を始め、

縫い代を始末するための「くけ」の練習もやりました。

最初「えー、全然出来ませーん!」なんておっしゃっていましたが、

練習するうちに、だんだん手の動きが良くなって来ました。

 

初めての授業はあっという間でしたが、「楽しかったです!」と

笑顔でお帰りになりました。

これから私も一緒に縫いますよ。

二人の縫い上りが、今から楽しみです。