雪の文様

テレビのニュースでは、朝からずっと積雪の話題です。

こちらでも雪は昨晩から降り始め、朝起きてみると一面真っ白でした。

昨日からこの積雪は予報されていたので、今日は出掛けなくても済むように

買い物も昨日のうちに済ませました。

現在広い道路の雪は既に解けているようですが、

日陰の雪は残りそうですね。

 

いざ出掛けるとなるとなかなかたいへんな「雪」ですが、様々に意匠化されて着物や帯の文様に使われてきました。

右の写真は「小袖萌黄紋縮緬地雪持竹雀文様」と呼ばれる篤姫所用と伝わる着物の裾部分です。このような草木に積もる雪を現したものを「雪持文」と呼び、雪持笹、雪持松、雪持柳などたくさんあります。

 

また、下の写真は夏用の帯ですが、「雪輪」と呼ばれる

雪の結晶をイメージした文様です。

雪輪文様はもちろん冬にも使われますが、夏帯や浴衣の文様にも使われ、暑い夏を涼しく演出します。↗

雪の文様は、お茶の道具にも使われています。

右上は「雪花蒔絵棗」。

雪の結晶が描かれています。

今日のような日に使うと、

とても印象に残りそうですね。

下は、「亀甲雪花蒔絵交合」。

こちらも今の季節ならではの

交合です。

 

雪のほかに「霰(あられ)」もあります。

着物で霰というと江戸小紋に多く見られますが、お茶では写真のような釜の地肌霰と呼んでいます。

 ↙     ※茶道具の写真は、

    「茶道具に見る日本の文様と意匠」森川春乃著 より


↙ところで話はガラッと変わりますが、左は川瀬巴水の「芝増上寺」です。赤と白のコントラストが美しいですね。

雪の降る中、着物姿の女性が傘をつぼめて増上寺の前を通り過ぎていくところで、とても風情のある版画です。

 

 

足元を見ると、履いているのは下駄。

雨や雪の日は、二枚歯の下駄を履くと着物や足袋を汚しません。道のほとんどがアスファルトになった現代では、ぬかるみを歩くことが無くなり、こんな下駄を履く人をほとんど見なくなりました。

それでも時々雨の日にこんな下駄を履いている方を見かけると、お洒落に気を配っていらっしゃるように感じられて「素敵だわあ~」と思います。